ハニー&クールな双子は再会した幼馴染みを愛しすぎている
 わからないし、恥ずかしいし、熱いし。


「もう! 二人ともケンカしないで! だったら私が立つから!」


 このままじゃ埒があかないと思って、私は身を捩って二人の間から抜け出し立ち上がる。

 不機嫌に二人を見下ろして、早くなっていた鼓動を誤魔化すように睨んだ。


「え!? 奈緒ちゃんと二人で座りたいのに!」

「お前が立ったら意味ないだろ!?」

「だったらケンカしないで!」


 まるで私が悪いみたいに言うから、更にムッとして断言する。

 すると私の本気の怒りを感じ取ったのか、二人は顔色を変えてそれぞれ私の手を取った。


「ごめん! 奈緒ちゃんを怒らせたかったわけじゃないんだ」

「俺が一番奈緒の近くにいたかったんだ。……奈緒の全部が好きだって、言っただろ?」

「っ!」


 手に伝わる体温と蒼くんの言葉に、一気に顔へと熱が集まる。

 前にここで伝えられた思いと、額や目尻に触れた蒼くんの唇を思い出してしまった。

 嬉しい気持ちもあるけれど、翠くんもいる今はただただ恥ずかしくて……。


 困るよぉ!


 しかも、翠くんは翠くんで蒼くんに食ってかかる。


「蒼、お前いつの間に告白までしてたんだ!?」


 文句を口にして驚いた翠くんは、真っ直ぐ私を見上げ掴んでいる私の手をギュッと握った。


「奈緒ちゃん、俺だって蒼に負けないくらい奈緒ちゃんのこと好きだよ」

「ええ!?」

「告白は蒼に先越されちゃったみたいだけど、返事はまだしてないんだよね?」


 丸くて大きな目元をきゅっと引き締めて、真剣に私を見上げてくる翠くん。

 その真剣さに押されて、つい正直に答えた。
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