ハニー&クールな双子は再会した幼馴染みを愛しすぎている
「ちょっ、ちょっとまって! 蒼くん早い!」


 180cmはありそうな蒼くんと145cmの私じゃあ単純に歩幅が違う。

 すぐに走る状態になって、息切れをした私が必死で訴えると「あ、悪い」と足を止めてくれた。

 でも、息を整えている私の腕は離さない。

 掴んでなくてもべつに逃げないのに……。

 なんとか息を整え、私は高いところにある蒼くんの顔を見上げた。


「案内するのは良いけど、私で良いの?」


 私にも冷たい態度なのに……と質問にちょっと棘を含ませたけれど、蒼くんは冷めた目のまま頷く。


「ああ……奈緒が一番マシ」

「マシって……まあいいや。とりあえずよく使いそうな教室とか案内するね」


 失礼な言い方に、もはや呆れて文句も出ない。

 けど、蒼くんが私を頼ってくれたこと自体は嬉しかったから案内することにした。


 図書室と美術室、体育館などを案内してからその近くにある部室棟へ向かう。


「この辺りはそれぞれ部活動の部室になっているの。入ってみたい部活があれば顧問の先生か放課後部室に行って部長に言えばいいよ」


 部活動の様子も簡単に説明すると、蒼くんが意外そうに聞いてくる。
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