女王様を甘やかしたい〜 愛の逃避行は計略的に

「まぁ、蜂のようにあちこちに飛びまわっているのはあなたなのに、そろそろおやめになって一つの場所に留まったらいかが?」

せめて、蝶々にしてもらいたものだと、彼女の嫌味に我慢する。

蜂🟰女王蜂のように男を従えてるな。蜜(男)を探しまわる蜂のようにふらふらするなとの忠告。

「えぇ、そろそろ30にもなりますし、ご忠告通り、一つに留まりたいと思ってますわ。舞子さん、私には玲央と千紘、どちらがよろしいと思います?」

答えられるわけがない。
この集団にいる腰巾着は、彼女も含め、玲央と千紘狙いなのだから。

「…亜里沙さんには、もっと年上の方が相応しいと思いますわ。最近、IT関連で頭角を出してきている最上さんからアプローチされてましたでしょ⁈」

ゲッと胸の内で吐き気がおこる。

最上 隆哉、38歳とは一回りも違うのに、私のどこを気に入ったのか知らないが、玲央や千紘がいても、会う度にあからさまに口説いてくる嫌な男なのだ。

全身ブランド品で固めただけで、おしゃれの抜けかんもない、マネキンの着ていた服をそのまま着ているような品性もない男。顔も体型も残念な男は、金にモノをいわせて、あちこちでおいた遊びが激しいと噂だ。
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