女王様を甘やかしたい〜 愛の逃避行は計略的に
その後、交流会はお開きになり、酒好きの理央と千紘は、バーへ行くことになっていた。そして私は、明日も仕事のある玲央に送られることになった。
家の前に車が止まる。
「ありがとうございます」
運転手にお礼をいい、降りようとしたら玲央が耳元で囁くのだ。
「ちゃんとするんだよ。今度会ったら聞くからね」
笑顔で手を振り、「おやすみ」といい窓が閉まると車は帰って行った。
深夜遅く、皆が寝静まった頃、布団の中で自分の体を触ってみた。
だが、よくわからないままで、手近にあった電子書籍の恋愛小説を読みながら自慰にふける。
なんとなく、気持ちいいぐらいで、玲央のいうような癖になりそうな快感をひろえなかった。
余計にモヤモヤとして、ストレスが増えるだけで、私には無理だったと諦めたのだ。
それからしばらくして、黒い噂のある加藤議員の政治資金パーティーに参加する玲央から、パートナーにと声がかかる。
父は、いい顔をしなかったが、渋々、条件つきで玲央に同伴すること認めた。
それは、亜里沙から片時も目を離さないこと。
子供じゃあるまいし、過保護な父に呆れたのだ。
パーティーには、最上 隆也も来ていて、パートナーに舞子さんが隣に立っていたが、いやらしく見つめられてゾワリと悪寒が走った。