女王様を甘やかしたい〜 愛の逃避行は計略的に
玲央も、彼の存在に気づいたようで、彼の腕を組んでいた手の甲を優しくポンポンも宥めてくれる。
玲央は、千紘と違い私のことをよく見てくれているようで、何度、気持ちを救われたことだろうと思う。
「篠原さん、亜里沙さん、いらしてたんですね。加藤議員の後援会に入られるのですか?」
「いえ、まだ後援会に入れるほどの身分ではないので、今日は、少しでも手助けができればと思い、参加させて頂きました」
要は、後援会に入る気はないが、金だけ持ってきたという事だ。
「最上さんは、既に入られたようですね」
「えぇ、よくご存知ですね」
「あれだけ大きな花を出しておられれば、気がつきますよ」
「そうですか…あははは」
腹の探り合いに、玲央が負けるはずがないのだ。
「加藤議員にも先程、ご挨拶させて頂きまして、最上さんと深い絆が結べたと喜んでおられましたよ」
「…そうなんです。プライベートでも仲良くさせて頂いて、今後もお互いにいい関係を築いていけると思ってます」
最上さんのパートナーの舞子さんだが、珍しく噛みついてこないので、様子を見ていると、頬を染め、のぼせたように虚だ。
「舞子さん、体調が悪いのですか?」