女王様を甘やかしたい〜 愛の逃避行は計略的に

激しくなる行為に赤面するしかなく、玲央を見つめていた。

声に出さないため息を吐いた玲央は、私の手を取り会場を後にしたのだ。彼らから離れた私達だが、あまりにも私が動揺しているせいで、玲央は車を呼び後部座席に乗った後、しばらく走らせろと運転手に促し、運転席との間の間仕切りのカーテンを引いた。

「玲央…どういうこと?」

「亜里沙には隠せないか。…こっちにおいで」

なぜか、玲央とくっついて、肩を抱かれ頭同士を寄せ合って、まるで恋人のように手を握られドキリとする。

「まだ不確かなことだから、小声で話すよ」

「うん」

運転手にも聞かれたらまずい話らしい。

「前にも依存性患者がいる話したよね。最近、僕の患者さんに快感に狂う薬で重症化してしまった人がいてね。あちこちで、媚薬のようなモノが出回っているらしいんだ。特に、上流階級で」

「まさか、舞子さんもって思ってる?」

「察しがいいね。僕は医者で取り締まる方ではないから、出所がどこかなんてわからないけど、彼女も似た症状だったから、多分、相当ハマっているよ。快感を得る為に男が欲しくて堪らなくなる」

「そんな薬があるなんて…」
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