女王様を甘やかしたい〜 愛の逃避行は計略的に
理央の双子というだけで、同じ顔というだけで、表面上は羨ましがられたが、裏での陰口を知っている。
美人だからとお高くとまって…人見知りなので
偉そうに…うそは言えないから
何様のつもり…普通にしてるつもり
スタイルがいいからって…努力してますから
身長もあり、はっきりとした性格が高圧的に見えて、高飛車に感じるのだろう。
結局、最終的に理央のまわりに集まる男子は、将来有望な嫁ぎ先候補で、相手にもされず、話しかけることもできず眺めているだけの女子が、彼らと親しい私が気に食わないという理由で、嫌味をこめて女王様と言われ始めたのがきっかけだった。
それがなぜか、私を崇拝する一部の男子の間でも広がり、影で何を言われようと女王様然とする姿から、その呼び名が定着していく。
久世の名に恥じぬように、毅然としていただけだ。
彼女らの陰口など可愛いもので、
四面楚歌の社交界にでれば、笑顔で近寄ってきた相手の裏を読まなければならない。皆が皆、いい人ばかりではなく、彼らの話す言葉の本質を見極め、悪意の感情にも、笑顔で返り討ちにするぐらい強くなければ、相手にもされないそんな世界で生きて行かなければならないことに比べたら、なんともない。