女王様を甘やかしたい〜 愛の逃避行は計略的に

だけど、傷つきはする。
人間だもの…

家族には、弱い自分など知られたくない。
でも、誰かに甘えたい
弱い自分をさらけ出せる相手が

篠原 玲央、彼だった。

彼との出会いは、小学部に入学した時だった。

小学生から私達兄妹と同じ学校へ通いだした彼とは、父同士の親交もあり、同学年ということで仲良くなっていく。

俺様な理央と、冷静沈着な玲央…この2人は、なぜか馬が合うらしく、常に一緒に行動していた。

そこへ、途中から編入してきた碓氷 千紘は、父方同士がいとこになり、私達とは、はとこになる。

千堂グループの下剋上により、千紘の父が社長に就任し、うちの父は、千堂グループの社長の椅子よりも母を選び、久世家に婿として入り、久世家の当主になった。

昔の父達の間柄は知らないが、はとことして初めて会った千紘は、スポーツ万能で、特に武道を極める実直な男。千紘を気に入った理央から声をかけて意気投合し、3人でつるむようになり、中等部に上がれば、理央の元へ人が集まりグループができていた。

彼らは、私の許婚候補だ。多分…

今時、許婚などと思う。
両親は恋愛結婚だが、母には何人かの許婚候補がいて、たまたま知り合っていた父も許婚候補にいたらしく、祖父のお眼鏡に叶って婿入りしたのだ。
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