女王様を甘やかしたい〜 愛の逃避行は計略的に
「…自慰だよ」
「じい?」
「そう、自分で慰めたりしないの?」
「…」
亜里沙がしている姿を想像したのは、仕方ないと思う。
今ならと調子にのった俺は、愛しい女の淫らな姿を想像しない男などいないだろうと、言い訳にして確かめたい男のサガからだった。
「し、ないわよ。したこともない」
「そっか…ストレス発散に試してみたら。純情そうなお嬢様方の中に、スポーツのようにSEXを楽しんでる人もいるよ」
こんな話をふる俺の心のうちは、一から手ほどきし、俺に依存させたいと思っているとは、亜里沙は想像もしていないだろう。
「?えっ、…むりむり」
「まだまだ純情な亜里沙には、そっち方面は無理だったか⁈」
「私だって、できるわよ」
何が⁈できるって?
俺以外の男となど、想像もしたくないというのに、沸々と湧く危ない思考。
「自慰も、誰とでも寝れるの?」
答えによっては、彼女を今すぐにでも自分のものにするつもりでいた。
「な、なんか怒ってる?自慰ぐらいならできる
ってことよ。初めては旦那様になる人って決めてるから、私は誰とでもなんてむり。愛してもいない人とできるものなの?」
余計な心配だったと、冷静になれて、亜里沙を褒めるように頭を撫でていた。