女王様を甘やかしたい〜 愛の逃避行は計略的に
「ストレス社会だからか、嫌なことやストレスを忘れる為に、SEXにのめり込んでしまう人も多いよ。吹き飛ぶくらいの快感が癖になって誰とでも関係ができるぐらい溺れて依存性患者もいる」
それが、加藤親子と最上だ。
「そうなんだ。でも、そんなに気持ちいいものなの?」
「自慰も知らない亜里沙には、癖になる快感はわからないよ。手始めに今日、家に帰ったら自分でしてみたらいいよ。快感を拾えたら、ストレスが飛ぶぐらい気持ちいいはずだ」
「…気が向いたらね」
初めてでは、なかなか快感を拾えるはずはなく、ストレス発散にもならない。だが、もう、俺には時間がないと思っている。
理央のお披露目会が終われば、当主も、そろそろと、考えているだろう。
千紘か俺か、はたまた、予想外の男が現れるかもしれない。
彼女には、今後、俺が肌に触れることへの嫌悪を取り除く為にも、是非とも試してもらわねばと、誘導して、レストルームを出る。
使用禁止の看板に、亜里沙は呆れた眼差しを向けてくるので、苦笑して、元に戻しにいった。
その日からしばらく経ったある日、亜里沙を加藤議員の政治資金パーティーに参加する為にパートナーとして声をかける。