女王様を甘やかしたい〜 愛の逃避行は計略的に

考えれば、中で何が行われているか察して、2人のスタッフが向かった。

もう、あの2人は終わりだ。
あちこちの多目的トイレでいたすのはどうかと思う。と、笑いが込み上げる。

もう、結城は、社交界にいられないだろう。そして、最上としか結婚できないのだ。

最上も、社会的地位に傷がつき、しばらくは、恥ずかしくて社交界にも顔を出せないだろう。

出せても、笑い者になるだけだが、そこまでの厚顔ではないと思いたい…

その前に、加藤議員が捕まり、芋蔓式に捕まる可能性も高いかも…だ。

そこは、勅使川原に頑張ってもらわなければと、俺は策を練るのだ。

車に乗り込み、運転席との間のカーテンを引く。

「玲央…どういうこと?」

「亜里沙には隠せないか。…こっちにおいで」

肩を抱き、頭同士を寄せ合って、恋人のように手を握っても、抵抗なく受け入れている亜里沙は、知り合いの男女の行為を聞き、相当、動揺しているのだろう。

今日の本来の目的を達成する為に、小声で話続ける。

内緒話は、信頼関係があるからだ。と、亜里沙の深層心理に刻んである。

「まだ不確かなことだから、小声で話すよ」

伝えていい真実だけを伝えていく。
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