女王様を甘やかしたい〜 愛の逃避行は計略的に
「そんな薬があるなんて…」
「うん、そうだね。媚薬のような物だから簡単に手を出してしまう。だが、常用するともう、麻薬のようなものだよ。それなしではいられなくなる。だからね、亜里沙、絶対、そんな物に頼らないで。もちろんタバコも。僕が癒して、甘やかしてあげるから、絶対に他の男にも頼んだらダメだよ」
「まさか、そんなことがあったから、心配して⁈」
「ねぇ、わかった?」
「うん。わかったから、怖い顔しないでよ」
「何がわかったの?言ってみて?」
「えっと、ストレスが溜まってても、タバコを吸わない。変な薬に手を出さない。ストレスが溜まって癒しがほしいなら、玲央に頼む」
「そう、千紘でもダメだよ。ありすを甘やかすのも癒すのも僕だけ」
「うん」
素直に頷く亜里沙は、少しも疑わない。
俺が、この数時間で、亜里沙を得る為だけに、どれだけの腹黒いことをしていたかなど気づいていない。
「そういえばあの日帰ってから、したの?」
「んっ?」
「自慰、どうだった?」
「全然、ダメ。わからなかった」
「そうか。なら、僕の出番だね。癒すなら、ストレスが溜まる日が一番いいよね」
厳重にしかれた防犯カメラに守られて、亜里沙が行動しやすい、その日は、今日の理央のお披露目会だ。