女王様を甘やかしたい〜 愛の逃避行は計略的に
理央と瓜二つの女性らしさの顔立ちは、幼い顔でも、将来は美人になるだろうと思われる亜里沙。
大人でも、つい見惚れるほどだ。
そうなると、危ない大人が彼女に邪な考えで近寄る。だから、久世家の男達は、過保護になるのだと理解した。
だからといって、彼女を好きになったわけではない。
彼女を妬む女子達による、いわゆるイジメにもめげずに凛とする姿に、あっけにとられた。
あの頃の歳の他の子供なら、泣きわめくし、先生や親にもいいつけるだろう。
だが、『心配かけたくないから、自分でなんとかする』と、言い切った彼女だが、見かねた理央が庇えば庇うほど、悪化してしまい、下手に手のつけれない状況におちる。
最初は反撃することもできずにいて、隠れて悲しむ姿は、愛おしく、自分の中で彼女への庇護欲を掻き立てていた。
彼女をこんな世界から救いたい。
救えるのは自分だけでありたいという願望…
泣く姿も笑う姿も怒る姿も、全て自分のものにしてしまいたい欲求。
生まれて初めて、ほしいと思うものに出会ったのだ。
「君をいつか連れ出してあげる」
思考は大人びていても、世間では子供な自分では、なんの権力もないし、なんの力にもなってあげれない。