女王様を甘やかしたい〜 愛の逃避行は計略的に
4、女王様の嫉妬と覚悟
レストラン内では、バンド演奏が流れ、曲を聞きながら楽しんでいた。

お料理も、多分、どれも美味しかったと思う。

そう、私だけ、お料理の味を楽しむ余裕もなく、今もバンド演奏を聞き流している。

そうなる理由は、玲央にある。

『食後の後は、ありすとイチャイチャしたい』

耳元で囁かれてからというもの、緊張から、ソワソワとしている。

テーブルの上で手を繋いで、甘い眼差しで見つめられていては、音楽を楽しむ余裕など、私にあるはずもないのだ。

この後におこるだろう件に、緊張している。

そんな私を見て、嬉しそうにしている様子に、ドキドキさせられるのだ。

睨んだら、「ごめん、浮かれてる」と、はにかんで笑うものだから、憎めない。

その後、すぐに、離してくれたのだが、今だって、周りに人がいるというのに、テーブルの下では、私の足に足を絡ませて、反応を楽しんでいる。

なぜ、目の前の男は、こうも余裕そうなのだろう。

イチャイチャとは、どこからどこまでをいうのかわからず、ドキドキしている私。

それなりの知識はあっても恋愛経験などなく、先ほどのキス以上のことをするのだろうかと、頭の中はいっぱいだ。

彼もいい大人だ。
見た目もいいし、優しい男。
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