女王様を甘やかしたい〜 愛の逃避行は計略的に
ふくらはぎに頬擦りする玲央を見下ろす私と視線を絡ませる男は、恍惚とした表情でふくらはぎにも口付けて、自身の大事な部分に私の足の裏をのせていく。
うっとりとした吐息に、私も息を飲む。
未経験だが、足の裏に感じる硬い物がなんなのかわからないほど、子供でもない。
羞恥で、頬が熱くなる。
こんなことで、私の心は癒されるのだろうか?
「ストッキングを破いてもいい?」
「えっ?」
「新しいの買ってあるから、破るね」
女王様呼びするくせに、了承を得るつもりもない玲央は、ビリッと破いていった。
「何するの?」
「甘やかして、癒すんだよ」
破いた裂け目から、肌に直接触れる玲央の唇に、なんともいえない刺激が体を流れていく。
「アッッ…」
どこからこんな甘ったるい声がと思うほど驚きで、咄嗟に口元を手のひらで押さえた。
「声を我慢しちゃダメだよ。声を出して発散しないと、溜まっている鬱憤は出ていかないからね。僕だけしか聞いてないから、声を出して…いいね」
コクコクと頷く私。
これから彼が私にしようとすることは、2人だけの秘密。
なぜ、こんなおかしなことになったのだろう?
玲央により柔肌を唇で愛撫されながら、こうなったきっかけを思い出す。