パパになった消防士は初恋妻を燃え滾る愛で守り貫く

13 私の家族と彼の家族

 母のご飯は大輝の口に合ったらしい。

「うんまいっすね、これ!」

 言いながら、大輝は用意されたご飯をもりもりと食べてゆく。

「車じゃなかったら、一緒にお酒でも、と思ったんだけど」

「お酒はだめでしょう、おじさん!」

「そうよー、大輝くん、もっと言ってあげて!」

 父母ともすっかり打ち解けた大輝は、父にツッコミまで入れ始める。

 もしもあの時からずっと大輝とお付き合いを続けていたら、こんな毎日が待っていたのかな。そんなことを思ってしまい、ふるふると首を振った。

「颯麻は? まだ何か食べる?」

 私の膝の上でご飯を食べていた颯麻は「うーん」と言いながら、カクンと首をたれてしまう。

「あらあら、颯麻くんおねむかしら?」

 目の前にいた母が言って、颯麻の顔を覗き込む。いつの間にか、颯麻は目をつぶり、ごはんつぶだらけの口周りのままスース―と寝息を立てていた。

「わ、本当だ。……はぁ」

 はしご車でテンションが上がってしまったのか、そのままテーブルにおでこをつけてしまいそうな我が子を抱き上げ、横抱きにした。
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