元カレ消防士からの爽やかな溺愛 〜厚い胸と熱い思いで家族ごと愛されて〜
「火事はどこですかー?」

 後ろから声をかけ、二人のお話に入ってみる。
 二人は同時に振り返り、颯麻が「ママ!」と声をあげる。

「火事はありませんでした!」

 大輝が言うと、颯麻が「ポンプ車、ない?」と大輝に尋ねる。

「火事がないのはいいことだろ? お家燃えちゃったら大変だぞ」

 大輝はそう言いながら、颯麻の頭を撫でる。
 二人はすっかり仲良くなっていた。

「大輝、ありがとうね」

 言えば、大輝は「おう」と答える。

「だーち?」

 私の声に反応して、颯麻が言う。

「お! やった! そ、俺、大輝」

 大輝はニコニコしながら颯麻に向かって、自分を指差しアピールする。

「だーち!」

 そう言う颯麻の隣に、私はそっと腰を下ろした。
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