元カレ消防士からの爽やかな溺愛 〜厚い胸と熱い思いで家族ごと愛されて〜
「わー、消防士さんだー!」

 そんな歓声に応えるように、降りてきた紺色の隊服の彼らは公園内に向かって手を振る。
 そんな中。

「あ、隊長と元カノさん」

 と、誰かが口走り。

「はぁー」

 と、大輝が盛大にため息を漏らしたのだ。

 ――あ、これ、見つかっちゃったら面倒くさいやつ!?

 と、私も思うも時既に遅し。
 大輝はさっと公園を出て、ポンプ車の方へ向かってゆく。

 私は颯麻が飛び出さないように抱きかかえて、「ポンプ車ー!」と連呼する息子に「かっこいいね」と声をかけていた。

 けれど、どうしても大輝と消防士さんたちの会話が気になってしまう。そっと聞き耳を立てた。

「だから、既婚者狙っちゃダメだって言ってるでしょ」

 なんて声が聞こえて、私は思わず苦笑いを浮かべた。
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