元カレ消防士からの爽やかな溺愛 〜厚い胸と熱い思いで家族ごと愛されて〜

16 初めてのデート

[土曜日、朝9時に迎えに行きます]

 明日に迫るデートを前に、私は寝静まった颯麻の隣で、スマホに映る大輝からのお誘いメッセージを眺めていた。

 画面を上にスクロールする。
 彼とのやりとりが目に入る。

[デート、今度の土曜日でいいか?]

[え、本当に行くの?]
[ ]

 空白のメッセージを送ってしまったのは、送られてきたメッセージに動揺してしまったからだ。

[梓桜は嫌なのか?]
[俺としては、もっと梓桜に男として意識してもらいたいんだけど]
[デートっつっても、颯麻くんもいるから昼間限定で。親子向けのとこがいいよな]
[ちょっとどこにするか考えておくから、任せといて]

 そのメッセージに既読を付けて、後悔した。

 大輝の中で決定事項になっているらしいそれを断ろうとした文面を考えて、考えて、考えて、何日も過ぎてしまった。すると突然、こんなメッセージが飛んできたのだ。

[今日バレンタインだな。
 あ、別に梓桜からのチョコは期待していますから]
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