元カレ消防士からの爽やかな溺愛 〜厚い胸と熱い思いで家族ごと愛されて〜

2 踏み出した一歩

 引越してきてからすぐに、私は市役所に相談に行った。
 保育園の空きが1枠あったので、さっそく入園を決めた。
 10月からの入園に向け、就職活動をすると、運よく隣町の事業所の事務員としての就職が決まった。

 これから頑張らないと。
 一人でも生きていけるように。

 新たな想いを新たな地で誓い、ようやく一歩踏み出せたと安堵する。

 けれど、まだまだだ。
 今はまだ、親のすねをかじって生きている、自立のできていない大人と同じ。
 何もできない、魅力もない、ダメ人間からの脱却は、まだまだ遠い先のような気もしてしまう。

 ふう、とため息を意気込みに無理やり変えて、私は入園準備を進めた。
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