元カレ消防士からの爽やかな溺愛 〜厚い胸と熱い思いで家族ごと愛されて〜
「ごめん、無神経だったわ……」

 大輝はそういうと、そっと目の前にしゃがむ。
 颯麻と視線を合わせて、「やっぱり、だいき、な」とその頭を撫でた。

「だーち?」

「そう、だいき」

「だーち!」

 腕のなかで無邪気に笑う颯麻。
 それに応えるように、大輝は無理やりに笑っているような気がした。

「そろそろ、帰ろうか」

 大輝に言われ、「うん」と返す。

 私が颯麻を抱っこしたまま立ち上がると、大輝はささっとシートを畳む。気まずい空気のまま、私たちは芝生の広場を後にした。
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