パパになった消防士は初恋妻を燃え滾る愛で守り貫く
「ちょっといいかしら」
振り向くと、母は何を考えているのか分からない、怖い顔をしていた。
こんな母の表情は、初めて見る。
「二人の問題に母親が口出すのもどうかとは思うんだけれど、同じ『母』という立場から言わせてもらうわね」
前置きをするように、母は話し出す。
「あなたは梓桜が大変な時に、梓桜を傷つけたの。自覚してる? 子供を産むっていうのは、命がけのことで、私も梓桜を産むときに緊急帝王切開になって、死を覚悟した。そのくらいの覚悟で娘は出産したのよ。
なのに、産まれたばかりで一番か弱くて、守ってあげなきゃいけない時期の自分の子供を、出産で身体がズタボロになった娘を放置して、あなたは娘に育児も家事も全て押し付けて、他の女性と遊んでいた。そうでしょう? あなたの子供なのよ?」
母は念を押すように「梓桜だけの子供じゃない、確実にあなたの子」と付け加える。
「なのに、あなたは何もしなかった。育児も家庭も放棄したも同然じゃない。なのに、戻ってきて欲しいだなんて、虫のいい話だとは思わないの?」
「放棄はしていません! 家族のために働いていましたし、養育費だってちゃんと払っていますし。誠意がなければこうして実家までなんて来ませんよ」
振り向くと、母は何を考えているのか分からない、怖い顔をしていた。
こんな母の表情は、初めて見る。
「二人の問題に母親が口出すのもどうかとは思うんだけれど、同じ『母』という立場から言わせてもらうわね」
前置きをするように、母は話し出す。
「あなたは梓桜が大変な時に、梓桜を傷つけたの。自覚してる? 子供を産むっていうのは、命がけのことで、私も梓桜を産むときに緊急帝王切開になって、死を覚悟した。そのくらいの覚悟で娘は出産したのよ。
なのに、産まれたばかりで一番か弱くて、守ってあげなきゃいけない時期の自分の子供を、出産で身体がズタボロになった娘を放置して、あなたは娘に育児も家事も全て押し付けて、他の女性と遊んでいた。そうでしょう? あなたの子供なのよ?」
母は念を押すように「梓桜だけの子供じゃない、確実にあなたの子」と付け加える。
「なのに、あなたは何もしなかった。育児も家庭も放棄したも同然じゃない。なのに、戻ってきて欲しいだなんて、虫のいい話だとは思わないの?」
「放棄はしていません! 家族のために働いていましたし、養育費だってちゃんと払っていますし。誠意がなければこうして実家までなんて来ませんよ」