パパになった消防士は初恋妻を燃え滾る愛で守り貫く
 旦那はそこまで言うと「梓桜だって分かってくれるよな」と付け足す。
 こみ上げてきたものを飲み込むように俯いていた私。その顔を、下から覗き込んでくる。

 このまま黙っているのは嫌だった。
 私も何か言わなきゃ。

「養育費……」

 声が震えて、上手く発音できているか分からない。けれど、私も言いたいことがある。

 母にばかり、代弁してもらっていてはいけない。これは、私と彼の問題なのだ。
 泣きそうになるのを堪えて、踏ん張って、前を向いた。

 元旦那が、はっと目を見開いたのが分かる。

 けれど、私は目をそらさない。
 頑張って、彼を見据えた。

「養育費、支払い遅れてるよね、年明けから。今月分、まだ支払われてないよ。催促できなかった私も悪い。けど――」

「仕方ないだろう、忙しかったんだよ。ちゃんと払うつもりだったし、だからメールもした。悪かったって、思ってる」
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