パパになった消防士は初恋妻を燃え滾る愛で守り貫く
「……、帰ったんじゃ、なかったの?」
「『帰った』って、まさか会ってたのか!?」
元旦那に聞いたのに、大輝が口を挟んだ。
「うん……」
言うと、大輝は険しい顔つきのまま、青ざめたままの元旦那に向かってなぜか鼻をクンクンさせる。
「お前――」
「こんなつもりじゃなかったんだよ!」
急に元旦那が声を荒げた。
その大声に、私を聴取していた警察と消防士さんもこちらに駆け付けてきた。
「こんなつもりって……」
嫌な予感がする。
心臓がドクドクと、嫌な音を鳴らす。
「そもそも、お前があの部屋で寝てねーからいけねーんだ!」
元旦那は私の方を向いてそこまで言うと、急に口ごもってしまう。
彼の背後で、大輝は怖い顔をして腕を組んでいた。
「あの部屋って、何? どういうこと?」
「いつもあの部屋で寝てたじゃねーか。なのにお前いないし、代わりに両親が寝てるし! だから、俺……俺……――」
そこまで言って、旦那は膝から崩れ落ちる。
「なのに、みんな生きてて……俺、ほっとしてる。ごめんな、梓桜」
「ごめんって、何だよ」
そう言ったのは、大輝だった。
「お前、やたらガソリン臭い。スタンド勤務じゃねーと匂わねーよ、そんなに」
大輝は、ごみを見るような目で元旦那を見下ろしていた。
「『帰った』って、まさか会ってたのか!?」
元旦那に聞いたのに、大輝が口を挟んだ。
「うん……」
言うと、大輝は険しい顔つきのまま、青ざめたままの元旦那に向かってなぜか鼻をクンクンさせる。
「お前――」
「こんなつもりじゃなかったんだよ!」
急に元旦那が声を荒げた。
その大声に、私を聴取していた警察と消防士さんもこちらに駆け付けてきた。
「こんなつもりって……」
嫌な予感がする。
心臓がドクドクと、嫌な音を鳴らす。
「そもそも、お前があの部屋で寝てねーからいけねーんだ!」
元旦那は私の方を向いてそこまで言うと、急に口ごもってしまう。
彼の背後で、大輝は怖い顔をして腕を組んでいた。
「あの部屋って、何? どういうこと?」
「いつもあの部屋で寝てたじゃねーか。なのにお前いないし、代わりに両親が寝てるし! だから、俺……俺……――」
そこまで言って、旦那は膝から崩れ落ちる。
「なのに、みんな生きてて……俺、ほっとしてる。ごめんな、梓桜」
「ごめんって、何だよ」
そう言ったのは、大輝だった。
「お前、やたらガソリン臭い。スタンド勤務じゃねーと匂わねーよ、そんなに」
大輝は、ごみを見るような目で元旦那を見下ろしていた。