元カレ消防士からの爽やかな溺愛 〜厚い胸と熱い思いで家族ごと愛されて〜
「現場検証って、何したの?」

 大輝が署長さんと何かを話していたのが気になって、訊ねてみた。

「あー……、引火原因とか、燃え広がり方、それに対する消火の正確さとか対処の仕方とか。まあ、今回のは犯人もはっきり供述してたから分かりやすかった」

 大輝は言いながら、我が家の勝手口からキッチンを覗いた。

「この辺はもうすごい燃えてる。この家、防火対策がしっかりされてて、燃え広がらなかったのはすごいなって、話してたんだ」

「私が子供の頃にね、父が建てた家なの。だから……何て言うか、複雑」

「そう」

「ねえ、引火原因とか分かるの? あの人、どうやって家に――」

「あー……知りたい?」

 大輝は言いにくそうに、ぽりぽりと頭を掻く。
 こくりと頷いた。覚悟はできていた。
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