元カレ消防士からの爽やかな溺愛 〜厚い胸と熱い思いで家族ごと愛されて〜
「まず、勝手口から侵入。で、ここでガス着けて持参したガソリン撒いた。ガソリンって沸点低いから、すぐに引火。しばらくして、燃え広がった。……そんな顔、すんなって」

 大輝に言われ、すごい顔をしていたんだと気づいた。覚悟を決めて、聞いたのに。

「ちなみに、放火って日本の法律ではもんのすごい重罪。人がいる建物の場合は特に重くて、場合によっては死刑だかんな」

 私は思わず、ひゅっと息を飲みこんだ。
 大輝は眉間にものすごいしわをよせていた。

 けれど、それは一瞬で。
 すぐに私に見せたのは、いつもの爽やかな笑顔だった。

「梓桜が、梓桜の大切な人たちが、みんな生きてて良かったよ」

 言われ、頬を手の甲で撫でられ。
 私はその大輝の温もりに、ドキドキしながら安心感を得る。

 やっぱり大輝は、私のヒーロー。
 だから、私も大輝みたいに。
 大輝に並べるような、強い人間になりたい。

 改めて、そう思った。
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