パパになった消防士は初恋妻を燃え滾る愛で守り貫く
 やがて車が、大輝の家にたどり着く。

「っつーか、来て欲しいんだけど」

「ママ―、おうち、違ったー」

 大輝が何か言ったような気がしたけれど、颯麻の声にかき消されてしまった。

「今日は大輝のお家に、お泊りさせてもらうんだよ」

「だーち、お泊り! やったー」

 いつでも前向きな、無邪気な息子。
 そんな風に、私も前を向けますように。

 そう思いながら、大輝の家に足を踏み入れた。
 
< 189 / 249 >

この作品をシェア

pagetop