元カレ消防士からの爽やかな溺愛 〜厚い胸と熱い思いで家族ごと愛されて〜
 カレーをもりもり食べる大輝につられて、颯麻も3回カレーをおかわりした。
 お風呂を頂いている間に、大輝が一階の和室に布団を敷いてくれた。

「ここでいいか?」

「うん、ここ……」

 白檀の香りのする、仏壇のある部屋だ。
 私はご両親の写真に会釈して、それから颯麻を寝かせた。

「だーちのお家、匂い、好きー」

 颯麻はそう言っていたけれど、しばらくするとすー、と寝息を立てて寝てしまう。

「ありがとう、颯麻寝た――」

 まだ明かりのついていたリビングへ戻ると、その先のサンルームのソファで大輝が寝ていた。

「大輝……本当にありがとう。迷惑かけてごめんね」

 言いながら、そばにあったブランケットを大輝にそっとかける。
 大輝の寝顔は、優しくてかっこよくて愛しくて、あの頃みたいにちょっとあどけなかった。
 
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