パパになった消防士は初恋妻を燃え滾る愛で守り貫く
 翌日も颯麻を保育園に預け、自宅からものを運び出す作業をした。
 今日も大輝は張り切っている。
 仕事はいいのか、と訊くと、「昨日は非番で今日は休日。明日は出勤だけど、こういうのは24時間勤務の特権だな~」なんて言っていた。

 きっと、本当はお休みの日くらいゆっくり寝ていたいはず。
 それなのに、お手伝いをしてくれる大輝にどこかやっぱり申し訳なさが募る。

 昼前になり、私は大輝に断って父母の迎えに行くことにした。その足で、役所や諸々の手伝いに行こうと考えている。

 昨日のうちに大輝が手配してくれたおかげで、朝イチで車の代替の鍵を手に入れることもできた。

「大輝も、もういいから適当なところで帰ってね」

 言うけれど、「大丈夫だから」と笑顔で返されてしまった。
< 195 / 249 >

この作品をシェア

pagetop