元カレ消防士からの爽やかな溺愛 〜厚い胸と熱い思いで家族ごと愛されて〜
「え?」

 目が合う。
 互いに逸らせずに、しばらく見つめ合う。

「梓桜、だよな?」

 言いながら、彼は私をじっと見つめ続ける。
 胸の中で、何かが疼いた。

「……大輝(だいき)?」

「ん、そう。久しぶりだな!」

 ニカッと笑う、お日さまみたいな爽やかな笑顔。
 整った鼻筋に、ちょっとだけあどけない、右頬のえくぼ。

 それは、もう13年も経つのに、あの頃と変わらない。

 大好きだった、初めての彼氏だったその人――佐岡(さおか)大輝――が、私の目の前にいた。
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