元カレ消防士からの爽やかな溺愛 〜厚い胸と熱い思いで家族ごと愛されて〜

3 オレンジの服の彼に魅せられて

 大輝との再会を果たしてからしばらくの後、息子の番がくる。
 ちょっとだけ緊張の面持ちの息子に、消防士さんがさっと素早く子供用の防火服を着せてくれる。

「まだちょっと大きいかなぁ、でも似合ってる!」

 子供用といえど、2歳の息子にはまだ大きい。
 ぽかんと突っ立った息子には、だぼだぼの防火服でも小さな消防士さんのよう。
 そんな息子に、私はスマホのカメラを向けた。

「ほら颯麻(そうま)、こっち向いて!」

 ちらりとこちらを見た隙をみて、シャッターを押す。

「颯麻くんか、よし、じゃあヘルメットも被っちゃおう!」

 消防士さんはニコニコして、ヘルメットをかぶせてくれる。
 それもまだ大きくてぶかぶかとしているが、息子は嫌がらずにじっとしていた。

「良かったね、颯麻」

 言うと、私の足元に走ってくる。
 知らない大人に囲まれて、緊張しているらしい。
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