元カレ消防士からの爽やかな溺愛 〜厚い胸と熱い思いで家族ごと愛されて〜

27 打ち明けた心

 その日、颯麻を寝かせた後。
 私は自分の想いはちゃんと伝えようと、大輝の部屋を訪れた。

「ははっ、夜這い?」

 大輝は相変わらず冗談を言って笑う。

「そんなわけないでしょ」

 言いながら、真剣な目を向けた。

「とりあえず入って」

 促され、昨日と同じ場所に座った。
 今日は、正座をして、きちんと背筋を伸ばして。

「どうした?」

 言いながら、大輝が斜め前に座る。

「お父さんがね、実家の設計頑張ってくれて、7月くらいには竣工できるだろうって」

「そっか、良かったな」

 そう言う大輝の微笑みは優しい。

「だから。4か月したら、家族ともども絶対に出て行きます。それまで、どうかよろしくお願いします」

 伝え、頭を下げた。

「え、何? ちょ、急に改まって……」

 大輝の慌てたような声が聞こえて、頭を上げた。
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