パパになった消防士は初恋妻を燃え滾る愛で守り貫く
「ポンプ車、もっかい乗るー!」

 乗車体験を終え、防火服を脱がせてもらった息子はこちらに駆けよると、すぐに私にそう言った。

 イベントは16時まで。今はまだ13時。お昼寝の時間だけれども、この状態じゃ息子は寝ないだろう。

 それに――

 視界の端に、ちらりと大輝(だいき)を映した。

 ――もう少し、彼と話したいと思った。

 もう一度、列に並ぶ。
 先ほどよりも縮んだ列の最後尾に行けば、「お、おかえり!」と気さくに声をかけてくれる消防士さん。

「すみません……」

 恥ずかしくなって言えば、「全然ですよ~、むしろ何回でもどうぞ!」と笑顔で返してくれた。
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