元カレ消防士からの爽やかな溺愛 〜厚い胸と熱い思いで家族ごと愛されて〜
 送ってすぐに既読が付いたのに驚いたが、その後急にスマホが震えてもっと驚いた。危うく落とすところだった。

 スマホの画面は着信を告げている。発信主は大輝だ。
 もしかして、何かあった!?

 震える手で通話ボタンをタップし、耳に当てる。

「梓桜!」

 元気な大輝の声が聞こえて、ほっと胸をなでおろした。

「大輝、どうしたの?」

「嬉しかったから。今なら電話できるし、だったら肉声で応援してもらおっかな~って」

「え!?」

 聞くと、大輝は深夜には消防署に戻って仮眠をとっていたらしい。今は朝食の時間で、その後現場に出動するとのことだった。

「だーち?」

 颯麻がそう言ってこちらを見上げている。
 なので、私は「そうだよ」と言いながら、通話をスピーカーモードに切り替えた。

「大輝に『頑張れー』って言ってあげようか」

 一人で言うのは恥ずかしくて、颯麻に促す。すると、颯麻はすぐに私のスマホに向かって大声を上げる。

「だーちー! ばんばれー!」

「お、颯麻くん! ありがとな!」

 電話の向こうから、大輝が言う声がする。
 その声の中に、笑顔の大輝が見えた。
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