元カレ消防士からの爽やかな溺愛 〜厚い胸と熱い思いで家族ごと愛されて〜
「おかえり!」

 甲斐もなく颯麻に張り合う。すると大輝は顔を上げ、温かい笑顔を私にも向けてくれた。

「ただいま」

 言いながら立ち上がり、靴を脱ぐ。

「いい匂い。カレー?」

「正解。大輝の好きな甘口カレー」

「やった!」

 大輝はそう言って、荷物を置きに階段の方に行こうとする。
 けれど、すれ違うその瞬間。

「本当、色々サンキュ」

 そういって、私の頬に触れるだけの優しいキスを落としていった。

「カレー、すぐ食べたいなー」

 階段を上る大輝の暢気な声。

「僕も、たべるー」

 と颯麻の声。

 私は真っ赤になりながら、愛しい人が無事帰還したことに安堵していた。
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