元カレ消防士からの爽やかな溺愛 〜厚い胸と熱い思いで家族ごと愛されて〜
「と本人は言っておりますが、本心は――?」

「――格好良く言わないといけない感じですかね? では」

 と、咳ばらいをした大輝は、真剣な眼差しで、マイクを握り締める。

「自分の使命は、この街に住む皆様を守ることです。だから、消防・救助・救命、自分にできることは何でもしたいと思い、今日にいたります。オールラウンドに活躍できる人間を目指して、日々鍛錬に励んでいます」

 そう言い切る大輝は、いつもより余計に輝いて見える。
 そんなお日さまみたいな大輝を見ていると、余計に自分のダメさが際立ってしまうように感じる。

 ううん。
 大輝だって頑張ってるんだから、私も頑張らないと。
 私の頑張りは、ちっぽけなものかもしれないけれど。

 そう思わせてくれる大輝は、やはり私の――みんなの太陽みたいだ。

 思わず見惚れてしまうと、不意に目が合う。
 ぱちりと片目をつぶった大輝に、思わず目をパチパチとさせると、彼はニカっと笑っていた。
< 35 / 249 >

この作品をシェア

pagetop