元カレ消防士からの爽やかな溺愛 〜厚い胸と熱い思いで家族ごと愛されて〜

5 お日さまみたいな笑顔のエール

「お、颯麻くんは今日も元気だ!」

 いつの間にか隣に、大輝がいた。
 ニカッと笑って、退け反った息子の頭を受け止めてくれる。

「おーい、橋本(はしもと)ー!」

 大輝は息子の頭を抑えたのと反対の手を上げる。
 橋本と呼ばれた男性が、向こうの方から駆けてきた。
 紺色の制服を着ているから、彼は消防隊だ。

「あ、隊長の元カノさんだ!」

 え!?

 動揺して、どきりと肩が跳ねた。

 駆けてきた彼に、「それ言うなよ」と大輝はため息をこぼす。
 私に向かって「悪いな」と一言。それから、橋本さんに向かって言った。

「未来の消防隊員に、消防自動車を案内してくれ」

「え、いいの?」

「おう、任せろっ!」
「お任せください!」

 大輝と橋本さんが言ったのはほぼ同時。
 橋本さんはニコニコしながら、「颯麻くんだったよね、お兄さんが案内しよう!」と息子の顔を覗く。

 息子を地上に下ろすと、橋本さんはさっと息子と手を繋いでくれた。

「どれが好き? やっぱり、消防ポンプ車? はしご車もかっこいいだろう?」

 なんて言いながら、二人は車庫内の奥に行ってしまった。
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