元カレ消防士からの爽やかな溺愛 〜厚い胸と熱い思いで家族ごと愛されて〜
 その頃から、大輝のことを意識し始めたのだと思う。
 大輝は誰にでも優しくて、誰にでも笑顔を向ける、お日さまみたいな人。
 クラスの人気者で、おまけに運動神経も良くてちょっと天然で、だから余計に女子からの人気も高かった。

 その年の夏休み。
 私の気持ちを知った友人たちの計らいで、大輝を含めたクラスメイト5人くらいで花火大会に出かけた。
 もちろん、友人たちは私と大輝を二人きりにしてくれた。
 花火を見ながら、ドキドキしながら、花火に負けないように大きな声で告白をした。

 どうしてそんなことができたのか分からない。
 きっと、若さが私を突き動かしたのだと思う。

 当時は恥ずかしさでいっぱいだったけれど、「嬉しい」と大輝が言ってくれて、それだけで胸が舞い上がるほど嬉しくなって。

「俺も梓桜のこと、好きだったんだよね」

 そう言われて、嘘じゃないか、夢じゃないかを何度も互いに確かめ合って、お付き合いを始めた。

 初めての告白、初めての恋人。
 その時は、高校生活は楽しくなるものだとばかり思っていた。
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