元カレ消防士からの爽やかな溺愛 〜厚い胸と熱い思いで家族ごと愛されて〜
 夏休みが明けて、イベント盛りだくさんの秋が過ぎて。
 たくさんの想い出を重ねて、たくさん笑い合って、たのしい高校生活が過ぎていく。

 けれど、その日は突然訪れた。冬休みが明けて数日のある日、大輝の両親が交通事故で亡くなったのだ。
 いつも笑顔でクラスのムードメーカーだった大輝のいない教室は、まるでお日さまの隠れた曇り空のようだった。

 私は彼の恋人として、何ができるんだろう。
 無力な自分が、どうしようもなく嫌だった。

 クラスメイトでまとまって、お線香をあげにお葬式を訪れた。
 そんなときでも、大輝は笑顔で対応してくれた。
 まだ小学生だった、妹の手をしっかりと握って。

 そんな大輝が心配で、お葬式の日から数日後、大輝の家を訪れた。

「連絡も取れなくてごめんな」

 家に私を上げてくれた大輝の第一声は、それだった。

『あー、お兄ちゃんの彼女!』

 いつもはそう言って玄関先に私を見に来る大輝の妹さんは、この日は私の前には出てきてくれなかった。

 代わりに、大輝の伯母さんだという女性がそこにいた。
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