パパになった消防士は初恋妻を燃え滾る愛で守り貫く
忘年会と言うには少し早めの12月半ば。お酒に酔うこともできず、早めに席を立ち帰宅した。
それでも、時刻はもう23時。颯麻はとっくに寝ているだろう。
そうっと家の鍵を開け、自宅に入る。私と颯麻は普段、一階の客間で寝ている。
しかし、今日は颯麻の我儘で、お母さんと一緒に二階の親の寝室で寝ているらしい。メールが来ているのを、飲み会の間に確認していた。
真っ暗な実家の明かりをつける。居間への扉を開けると、誰かのいびきが聞こえる。
炬燵で寝ているらしい、父の後ろ姿が目に入った。
「あーお父さん。こんなところで寝たら風邪ひくよ?」
と言っても、二人の寝室から父を追い出したのは颯麻であり、つまり私である。
あまり強くも言えず、ごめんねと思いながらとりあえず父を起こそうと試みる。
「ほら、お父さん起きて――」
驚き、息を飲んだ。
父の目は左右でどこか違うところをぼんやりと見ているようだ。それに、このいびき――
それでも、時刻はもう23時。颯麻はとっくに寝ているだろう。
そうっと家の鍵を開け、自宅に入る。私と颯麻は普段、一階の客間で寝ている。
しかし、今日は颯麻の我儘で、お母さんと一緒に二階の親の寝室で寝ているらしい。メールが来ているのを、飲み会の間に確認していた。
真っ暗な実家の明かりをつける。居間への扉を開けると、誰かのいびきが聞こえる。
炬燵で寝ているらしい、父の後ろ姿が目に入った。
「あーお父さん。こんなところで寝たら風邪ひくよ?」
と言っても、二人の寝室から父を追い出したのは颯麻であり、つまり私である。
あまり強くも言えず、ごめんねと思いながらとりあえず父を起こそうと試みる。
「ほら、お父さん起きて――」
驚き、息を飲んだ。
父の目は左右でどこか違うところをぼんやりと見ているようだ。それに、このいびき――