パパになった消防士は初恋妻を燃え滾る愛で守り貫く
やがて、車が我が家の前に着く。
「大輝、ありがとう」
まだ重い空気から逃げるように、さっさとシートベルトを外した。
なのに。
「待て」
腕を掴まれ、引かれる。ドアの方を向いていた私は、そのはずみで運転席の方に倒れこんだ。そんな私を、大輝はしっかりと受け止める。そのまま、彼の腕は、私の前にしっかりと回っていた。
力強い抱擁だった。背中に感じるのは、あの時より一層逞しくなった胸板。両腕の筋肉。それから――
「大輝……」
――より一層優しくなった、彼の温もり。
「梓桜、さ」
大輝の声が、耳のすぐそばで聞こえた。思わずぴくりと肩を揺らす。けれど、大輝はその抱擁を解いてはくれない。
「もっと俺のこと頼っていい。頼れよ。俺が、そうしたいから」
「大輝、ありがとう」
まだ重い空気から逃げるように、さっさとシートベルトを外した。
なのに。
「待て」
腕を掴まれ、引かれる。ドアの方を向いていた私は、そのはずみで運転席の方に倒れこんだ。そんな私を、大輝はしっかりと受け止める。そのまま、彼の腕は、私の前にしっかりと回っていた。
力強い抱擁だった。背中に感じるのは、あの時より一層逞しくなった胸板。両腕の筋肉。それから――
「大輝……」
――より一層優しくなった、彼の温もり。
「梓桜、さ」
大輝の声が、耳のすぐそばで聞こえた。思わずぴくりと肩を揺らす。けれど、大輝はその抱擁を解いてはくれない。
「もっと俺のこと頼っていい。頼れよ。俺が、そうしたいから」