パパになった消防士は初恋妻を燃え滾る愛で守り貫く
 しばらくの後、遊び疲れたのか颯麻は寝てしまった。

 一月の穏やかな午後の日差しが南向きのベランダから差し込む。外は寒いけれど、部屋の中はぽかぽかと温かい。

 私も、颯麻の入院の付き添いで気が張っていたらしい。私はのんびりと、あくびを零した。

 寝ちゃおうかな、少しだけ。
 そう思っていると、突然手元のスマホが震える。大輝からのメッセージを着信したと、画面が知らせていた。

 レスポンスの速さに驚きながら、画面を開く。

[大事じゃなくてよかった。
 颯麻くんの具合はどう? 元気?]

 すると、また変なキャラクターの『元気?』のスタンプが送られてきて、私はふふっと笑ってしまった。

[元気です。
 今日もずっとミニカーで遊んでたくらい]

[良かった。
 梓桜も休めるときにゆっくり休めよ]

 大輝らしい私を気遣うメッセージに、心がほっとする。同時に、ドキドキと胸が鳴り、私を甘い気持ちにさせる。

 不意に、またスマホの画面が光った。

[それから]

 大輝のメッセージには、続きがあったのだ。

[颯麻くんの待期期間開けたら、
 快気祝いしてあげたいんだけど]
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