ビターなフェロモン (短)
「改めてお礼を言わなきゃ。それに、さっきの事を蓮人くんからも詳しく聞きたいし」
さっき蓮人くんは、キスについて何にも触れなかった。
スルーしないと気まずい空気になるって分かってたからだと思う。
だけど……私は知りたいの。
――きゃっ!
――っ⁉
蓮人くんと手が当たった時、まるでショートしたように火花が散った。
その後は、蓮人くんに触られた場所が熱くなって、痛くなって……。
自分の頭が、どんどん溶けていくようだった。
熱が高まりすぎた頭や体は変なことを考えるようになって……蓮人くんがほしい、なんて。
とんでもない思考回路に行きついた。
その結果が、
――ふれて、ほしい
――キスして、蓮人くん
コレだ。
あの時、私の体は私じゃないみたいにおかしくなった。
蓮人くんはどうだったんだろう。
私と同じく、変になっていたのかな?