ビターなフェロモン (短)

もし、私たちが二人一緒におかしくなっちゃったなら、何かの病気かもしれない。

早く治さないと、手遅れになる病気なのかも……。


だったら、一日でも早く蓮人くんと話をして確認したい。

蓮人くんも私と同じ、自分が自分じゃない感覚になったかって。


「そういえば……もう体は熱くないし、体のだるさもとれてる」


さっきまでのしんどさがウソみたい。

元気ピンピン。


でも、どうして治ったんだろう?

薬を飲んだわけでもないのに……。


「……あ、一つだけ〝したこと〟があった」


蓮人くんとのキスだ。

思えば、蓮人くんとキスして……こ、興奮してから体の熱が収まった気がする。


「蓮人くんに触ってほしいだとかキスしてほしいだとか言って……。それだけでも充分ヘンタイなのに、キスしたら熱がおさまるなんて。こんなの……」


こんなの、衝動的な欲求だ。

まるで野生の本能みたいな……。


「あぁ~、最悪だ……っ」

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