彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】

隠密作戦

 京子さんに会って、具体的にどうやって彼を出し抜くか真剣に悩みはじめた。
 
 とりあえず、正直やりたくはないが、達也取締役を味方につけるのがこの会社では一番効くというのはわかっていた。

 ただ、彼は必要以上に俊樹さんをぎゃふんと言わせようとする可能性がある。
 
 前回、達也取締役の業務部役員就任の際に、彼が邪魔をして私を秘書にできなかった。復讐してくる可能性もある。

 最後にはどうせ実情が俊樹さんにばれるので、そうなったときが怖いというのが本音だった。
 
 俊樹さんも達也取締役を危険視しているので、私がそれに絡んだと知ったらそれこそ何をするかわからない。
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