彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】
前回も色々あった。それを分かった上で達也取締役が協力してくれるかどうか自信もなかった。
しかし、考えている時間ももったいない。できるだけ早く移籍したいのだ。
彼の海外出張が丁度来週予定されていた。
その時がチャンスと思っていたので、それまでになんとかしようと思っている。
「今日は午後から新しい広報誌の打ち合わせの会議があります」
朝の申し送りの最中だが、彼はこちらを見たまま返事をしない。
「あの?何か間違っていましたか?」
「森川さん。勝手なことしたら許さないからそのつもりで……」
「え?」