彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】
睨んでる。やだ、どうしてこうなる?
「やれるもんならやってみろ。俺を相手にお前がどれだけできるかな?」
カチーン!頭にきた。失礼な!俄然やる気が出てきた。
私の顔色が変わったのに気付いたのか、驚いている。ふん、後悔したって遅いからね。私を怒らせたな。
「……それでは、本日もお願いします」
頭を下げて、くるりと背中を向けた私に、彼が腰を上げて声をかける。
「……お、おい、菜摘」
「はい?なんでしょうか?」
私の顔色がいつもと違うのに気付いて焦っている。