彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】
「午後から彼が会議なので、その時でもお時間頂けますか?」
「了解。一時半にもう一度来るよ」
そう言ってあっという間にきびすを返し、いなくなった。
一時になり、彼が会議に入った。そうすると、達也取締役が訪ねてきた。
「俊樹さんが探しに来るかも知れないから、適当に嘘を言っておいた」
「え?」
「爺さんの秘書に助けてもらった。あそこの秘書の手伝いにいっていると秘書室に伝言してある。こっちへおいで」
そう言われて付いていくと、達也取締役の部屋。鍵をかけて秘書に誰も通さないように、相手も話すなと厳命した。ひえー、すごい……。徹底してる……。そして、怖い。