彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】
「あ、あの……すみません。おおごとにしてしまって」
「……全くだよ。おおごとだ。でも、陽樹さんの頼みとあれば俊樹さんのことを出し抜くのも悪くない。この間の恨みもあるしね」
あー、やっぱりそう考えていましたね……。
「青写真は出来ている。俊樹さんの海外出張と同時にあちらで研修に入る。覚悟はいいね?」
「あの。私のいない間の彼の秘書は誰が?」
「それもね、色々考えたよ」
「え?」
「うちの秘書室長を充てる」
びっくりして固まった。秘書室長って、会長の秘書でしょ?え?大丈夫なの?