彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】
偉そうに……。君のためとか言って、自分が彼をぎゃふんと言わせたいだけじゃないのかな?
「そう、確かに僕自身が彼をやっつけてみたいという衝動が原点だけどね。機会をくれた君には感謝だな」
ほらね……。私の顔色見て、考えていること当てるし。もう、嫌だ。
「……それで、私はどこへ行くことになっているのでしょう?」
「知るか」
「え?」
「あっちのことはあっちに聞いてよ。そうだ、陽樹さんへの連絡先を預かってる。これ、俊樹さんが知らないメールアプリらしいから、ここに連絡してくれたらおそらく読まれないとか言ってたぞ。俊樹さんは氷室に自分の子飼いがいて、彼らが色々情報を送っているらしい。陽樹さんは俊樹さんにばれないように色々しているらしい。面倒くさい兄弟だ」